学校法人 大覚寺学園 嵯峨美術大学 嵯峨美術短期大学

検索

連続公開講座 京の美意識

第96回 疊は生きてます ※終了しました

講 師
中村 勇三氏(疊三 中村三次郎商店 店主)
日 時
2015年4月18日(土)
14:20~15:50
会 場
京都嵯峨芸術大学 罧原キャンパス有響館 G401教室
疊(たたみ)とは、稲藁を縦、横交互に積み重ね、麻糸で縫い締めた疊床に、イ草で編んだ疊縁を縫い付けたものです。材料は、自然の植物で出来上がったもので、一つ一つは弱いものですが、疊として完成しますと、とても強く、日本の気候、風土に適した非常に優れた床材となります。なかには疊材として何百年も使われている例もあります。また、文化財建造物用の紋縁疊制作技術は、部屋の形状を正確に採寸して疊床を加工し、織り込まれた「紋縁」の紋様が、敷き込まれたときに互いに合うように縫い付ける技術で、その一連の工程には高度な技術を要します。講座では、疊の起源や構造、製作工程など「生きている本物の疊」についてお話しします。
講師プロフィール
中村 勇三(なかむら ゆうぞう) 疊三 中村三次郎商店 店主

1929年生まれ
1952年 同志社大学商業部卒業 疊職に就く
1983年 父・健吉(昭和53年黄綬褒章疊職として授章)逝去後、疊三を継承する
1996年 京都府文化財保護基金より文化財建造物に寄与したとして功労賞を受ける
1997年 文化庁長官賞を疊職として綬章
1998年 黄綬褒章を疊職として授章
2004年 国選定保存技術保持者「疊製作」として認定される
2011年 旭日双光章を疊職として授章
文化財疊保存会会長