出品作家
人長果月
二瓶晃
虚の所作 Imaginary action
少年の頃、虚数の概念を知り驚いた。存在しない数があり、その虚数によって成り立つ数式があるという。なにか知らない世界が開かれたように思えた。
芸術は、常に新しい技術を取り入れながらその時代のリアリティーを生み出してきた。現在もメディアアートによってもたらされた、インタラクティブ技術を用いた作品は、表現の場に観客の参加を必用とする事で、芸術の中に双方向の開かれた場を生み出している。しかし新しい技術や概念が、必ずしも芸術を生み出すとは限らない。技術や技法によって養われた感性が、センサー等によって機械化された感覚と所作によって、虚ろで豊かな空間を芸術の中に見つけ出すことは不可能だろうか。