学校法人 大覚寺学園 嵯峨美術大学 嵯峨美術短期大学

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University Introduction

2021年、大覚寺学園は50周年を迎えました。

理事長挨拶

嵯峨野の地で美的感性を高める。

学校法人大覚寺学園 理事長 

伊勢 俊雄 いせ しゅんゆう 

 学校法人大覚寺学園は、今年2021(令和3)年に創立50周年を迎えました。1971(昭和46)年、日本屈指の景勝地である嵯峨野の地に「嵯峨美術短期大学」として開学して以来、半世紀にわたって2万人を超える卒業生を世に送り出し、皆がそれぞれの道で活躍していることをたいへんうれしく思っています。
 さて、当学園の母体は同じく嵯峨野の地に立つ真言宗大覚寺派の本山・大覚寺です。大覚寺は今からおよそ1200年前に嵯峨天皇の離宮として建立され、嵯峨院と呼ばれていました。嵯峨天皇は当時を代表する文化人であり、遣唐使として中国・唐を訪れて帰国した空海や多くの宮廷人とこの場所で交流しました。大覚寺は「平安の文化サロン」だったのです。
 また、大覚寺は「いけばな嵯峨御流」の総司所(家元)でもあります。これも嵯峨天皇が大覚寺境内に広がる大沢池で、菊ケ島に咲いていた菊の花を手折り、殿上の花瓶に挿されたことに始まります。嵯峨天皇は、花瓶の菊をご覧になり、「天、地、人」三才の美しさを備えていると感銘を受け、「後世花を生くるものは宜しく之を以って範とすべし」とおっしゃいました。嵯峨天皇の自然に対する慈しみと確かな美意識が伝わってくるお言葉です。
 大覚寺が始祖と仰ぐ嵯峨天皇の文化に対する考え方は、今なお大覚寺、そして大覚寺学園に受け継がれています。

当学園の「教育憲章」には、「やわらかな感性」「ゆたかな美意識」を育むことを目標として掲げています。自然と文化の調和を体感できる嵯峨野の地は、この目標を実現するのにもっとも適したフィールドでしょう。当学園で学ぶ学生や、巣立っていった卒業生が、平安時代から脈々と継承されてきた伝統の精神を大切にしながらも、一方で革新的思考と創造力をもって社会の発展に貢献することを心から願っています。
 本学園は、開学30周年を迎えた2001(平成13)年に四年制大学「京都嵯峨芸術大学」を開学し、それに伴い短期大学は「京都嵯峨芸術大学短期大学部」としておりましたが、2017(平成29)年に「嵯峨美術大学」「嵯峨美術短期大学」に校名を変更しました。創立時の校名に戻すというこの変更には、50周年を前に今一度初心に立ち戻ろうという決意を込めました。当学は、開学以来「嵯峨美(サガビ)」として、学生はもとより地域の皆さまに愛されてきました。そのことを今一度胸に刻み、「平安の文化サロン」であった嵯峨野の地を「現代の文化サロン」としてさらに発展させてまいります。
 「嵯峨美」の「美」、すなわち「美しい」という言葉は、世界中のどこにもない、日本語でしか表現できない至極の表現であり、その表現方法に限りはありません。「嵯峨美」は自らの「美」を追求する多くの若者たちの最高の舞台であり続けたいと強く願っています。

学長挨拶

アートの力で社会貢献を!

嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学 学長 

佐々木 正子 ささき まさこ 

 本学は創立以来、本年で五十周年を迎えました。
 これもひとえに、お力添えを賜りました多くの皆様のおかげと、心より御礼申し上げます。
 文化芸術の都、京都の地にある美大として、大本山大覚寺のもとでいけばな嵯峨御流と両輪となって、伝統文化の継承と新しい時代に適応した芸術の創造に携わってきましたことは、本学の教職員、学生、卒業生にとって誇りとするところです。
 平安時代に中国文化の模倣から、わが国独自の文化を築き上げようと自らも美の創造に積極的に携わられ、文化芸術に対する大きな意識改革へと舵を取られたのが嵯峨天皇ですが、その嵯峨天皇の美意識、芸術創造の精神に学び、また嵯峨天皇が重用された弘法大師空海の社会環境をより良いものにしようとする実践の姿勢を手本とし、本学の建学の精神はゆるぎないものとして、今日まで継承されてきました。
 この二つの大きな意志、「芸術の創造」と「社会貢献」は例えば在学生であれば地域社会との連携活動として、ポスターやカレンダーの制作、検診車の外装デザイン、あるいは障壁画制作など、小さなものから大きなものまで、アートの力で社会に役立つことを目指した活動として生かされ続けています。

どんな小さなことからでも、アートの力で社会を明るく、楽しく、美しく、癒しを与え、洗練し、感動を与え、役に立つことを目指すこと。こうした本学の姿勢はアートが社会にどのように必要であり、役割を果たせるものであるかを学生たちが知る貴重な体験の機会でもあります。
 現在では学びのジャンルも幅広く、伝統的な分野から最新のものまで、常に時代や社会の変化に合わせたラインナップがなされていますが、このように変化に対応した技術やジャンルの変容と共に、変わらぬ不動のものとして「アートの力で社会貢献を」という建学の精神は受け継がれ、多くの卒業生が社会で活躍していることは大きな喜びとするところです。
 学生が笑顔で学び、地域社会に愛される「嵯峨美(サガビ)」であり続ける為に、私たちはこれから先の更なる未来に向けてたゆまぬ努力をしていきたいと願っています。
 どうか皆さまも変わらぬご支援、ご協力を賜りますよう、また学生たちを温かく見守っていただきますよう、心底よりお願い申し上げます。

理念・教育憲章

芸術の力を究める。

本学は歴史ある神社や仏閣、街道にめぐまれた嵯峨・嵐山の地にキャンパスを設置しています。環境は芸術にとって重要な役割を果たしています。これほど美しく多様な四季の変化を身近に眼で楽しめる環境にある美術大学は、日本国内でも稀でありましょう。歴史と自然が練り上げた場の力、あるいは創造を後押しする空気にめぐまれた環境が本学の誇りです。フレンドリーな先生、職員、先輩。独自の雰囲気をもつ社会人や外国人留学生。こうした身近なひととの交流も、あなたの内面に湧出する「芸術の力」の自覚を助けてくれます。この嵯峨の地でホンモノの「芸術の力」に触れ、あなたの夢を可能な限り大きく実現して下さい。

教育憲章
建学の理念
大覚寺が始祖と仰ぐ嵯峨天皇ならびに宗祖弘法大師の思想と実践に学び、その精神を現代の高等教育に活かすべく、広義の芸術教育を通じて創造性と人間性の涵養に努め、豊かで平和な社会の実現に貢献できる人材を育成する。
学園の使命
国際文化都市京都にあって、自然と文化の調和を体感できるここ嵯峨野に確固たる芸術教育の拠点を築き、わが国の芸術文化の振興に寄与するとともに、積極的な社会貢献を果たすに足る知識と技術をそなえた、創造的で感性豊かな表現者、文化デザイナーを養成し、広く国際社会に送り出す。 そのため本学園に嵯峨美術大学大学院、嵯峨美術大学、嵯峨美術短期大学を置く。
学園における芸術教育の目標

やわらかな感性、ゆたかな美意識、かけがえのない自分

  • 学ぶ者の個性を尊重し、美的感性の伸展をめざす
  • 芸術文化領域における伝統と革新の融合をはかる
  • 地域に根ざし、地域社会の発展に貢献する
学園が育成しようとする人材
  • 伝統的な芸術表現と様式を学び、これを現代に活かす人材
  • 先端科学技術を駆使し、芸術表現に革新的領域を切り開く人材
  • 豊かで文化的な生活環境を総合的視野から企画・構想・設計する人材
  • 地域文化の掘り起しと活性化を通じて社会の発展に貢献できる人材