京都嵯峨芸術大学附属博物館では、嵯峨大念仏狂言保存会の全面的な協力のもとに第三回目の「嵯峨大念仏狂言展」を開催することとなりました。
京都では千本閻魔堂、壬生寺、神泉苑、清凉寺で大念仏狂言が行われています。これらはいずれも平安末期に始まる「融通念仏」にその起源を持つものですが、その芸能史における重要性から清凉寺境内で行われる「嵯峨大念仏狂言」は1986年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
本展では嵯峨狂言に伝わる面を展示いたします。嵯峨狂言に室町末期から桃山時代の面が存在することは早くから知られていましたが、近年の調査によって刻銘や墨書銘のある面が数多く保存されていることが判明しました。また、狂言や能に由来する面だけでなく念仏狂言独自の面も多く含まれています。保存会所蔵の約100点の面の全てを一度にご観覧いただける貴重な機会となりますので、ぜひご来場ください。