2021年度、本学は京都済生会病院との産学連携の一環として、ホスピタルアート※プロジェクトを立ち上げました。

本プロジェクトは、2022年6月1日に新築移転する京都済生会病院の小児科病棟に「ホスピタルアートをとおして、治療を頑張る子どもたち、その家族、医療従事者をつなぐことができないだろうか」という病院の想いを受け、嵯峨美術大学芸術学部デザイン学科2・3年次生(2021年度当時)の学生32名(グラフィックデザイン領域・担当 池田泰子教授)が2021年11月から2022年1月までの約3ヶ月の間、課題として取り組みました。

学生たちは、7チームに分かれて、プレイルームの壁面2種、処置室の壁面1種、廊下の壁面4種、計7種のデザインを協力し合いながら制作しました。
このプロジェクトの特徴は、病院スタッフとの意見交換を基に制作を進めたところです。
子どもたちや子どもを取り囲む家族、医療従事者との間に、アートを通じてたくさんの明るい対話が生まれてほしいという願いを込め、テーマを「対話が生まれるアート」とし、子どもたちが親しみやすい動物たちをモチーフに選びました。
作画の中では、「さがす」「たぐる」「ものがたる」等の子どもたちの能動的な気持ちや動きを促すとともに、漢字を用いたデザインを取り入れる等、楽しみ、学びながら鑑賞してもらえるような工夫をちりばめました。
病院関係者の想いをデザインに反映することで、京都済生会病院にしかないホスピタルアートが完成しました。

開院に先立って、2022年5月20日に本学学生を対象にホスピタルアートがお披露目されました。
学生たちは、チームで作品を完成させた達成感を味わい、作品を鑑賞し、授業のまとめを行いました。

制作を終えた学生からは、「患者にとって、どのような作品が喜んでもらえるのか、また、アートの力で、病院で過ごす時間がより良い想いを紡ぐ時間となれば嬉しい」という感想が多く聞かれ、「アートの力で社会に貢献する」という気持ちが芽生えた、意義のある制作となりました。


※ホスピタルアート…アートの力で病院などの医療環境を、より快適で癒しの空間にする取り組みのこと。

京都済生会病院の小児科病棟に本学学生がホスピタルアート(壁面装飾)を制作しました。0

プレイルームの壁面デザイン

京都済生会病院の小児科病棟に本学学生がホスピタルアート(壁面装飾)を制作しました。1

廊下の壁面デザイン

京都済生会病院の小児科病棟に本学学生がホスピタルアート(壁面装飾)を制作しました。2

廊下と処置室の壁面デザイン

京都済生会病院の小児科病棟に本学学生がホスピタルアート(壁面装飾)を制作しました。3

病院関係者の方々との記念写真