アトリエみつしまにて開催の企画展「まなざしの熱り」に卒業生・野中梓さんの作品が出品されます。

アトリエみつしま企画展
まなざしの熱り

 まなざしと感情は、いかなる結びつきを持つでしょうか。「熱視線を送る」「目が泳ぐ」のように、視線は周囲の者が受け止めずにはいられない熱をたたえて、当人の意志をよそに気持ちを伝えてしまうものでもあります。まなざしに滲み出る感情は、何らかの伝染によって人から人へと伝わり、思いを共有することに繋がっているのかもしれません。冷めやらぬ熱(ほとぼ)りは、当人から消えてしまった後も誰かの心にその温度を残し続けるでしょう。
 本展覧会では、全盲のウォルフィー佐野と光島貴之、晴眼者の伊藤存、野中梓、舩戸彩子といった視覚にそれぞれ特性のある作家を迎え、各々の視座からまなざしにあふれる心の熱に迫ります。まなざすものと、まなざされるもの。互いの熱が伝わり合う中で、その両者を見つめる鑑賞者の存在がさらなる熱をもたらし、展示空間を新しい温度で満たしてくれると期待しています。

会 期:2025年9月28日(日) ─ 11月3日(月)
時 間:11:00 ─ 18:00
会 場:アトリエみつしまSawa-Tadori(京都市北区紫野下門前町44)
休館日:月曜日 ※10月13日(月)・11月3日(月) は開館し、10月14日(火) は休館
観覧料:500円 ※小学生以下、障害者手帳をお持ちの方と付添者1名は無料

◆作家一覧
伊藤 存、ウォルフィー佐野、野中 梓、舩戸彩子、光島貴之

◆関連企画
〈トークイベント〉
日 時:2025年9月28日(日) 14:00 ─ 16:00
概 要:出展作家によるギャラリートーク
登壇者:伊藤存、ウォルフィー佐野、舩戸彩子、光島貴之
司 会:吉岡洋(京都芸術大学 文明哲学研究所・教授)

〈対話鑑賞イベント〉
日 時:2025年10月19日(日) 14:00 ─ 16:00
概 要:視覚に障害のある人と一緒に出展作品を言葉で鑑賞します
定 員:10名(予約制)

※イベント申込方法などについては、アトリエみつしまWebサイト、SNSをご参照ください。

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野中 梓 NONAKA Azusa
1991年大阪府堺市出身。
2016年京都嵯峨芸術大学大学院 芸術研究科 芸術専攻造形絵画分野修了。
自宅の壁面など、毎日目にする物の平らな表面に見える明暗や色味を見ながら絵を描く。
近年の個展に「野中梓展」(2024年、KUNST ARZT/京都)、「野中梓展」(2024年、Oギャラリーeyes/大阪)など。
グループ展に「群馬青年ビエンナーレ」(2021年、群馬県立美術館/群馬)、「Still life ─ 静物は沈黙を容認しない」(2023年、Oギャラリーeyes/大阪)、「逃げ水をすくう」(2024年、The Terminal KYOTO/京都)、「ぼんやりながめてふにおちる 清水彩瑛・野中梓」(2025年、kumagusuku/京都)など。
2025年4月、病により永眠(行年33歳)。

【9/28~11/3】アトリエみつしまにて開催の企画展「まなざしの熱り」に卒業生・野中梓さんの作品が出品されます。0
【9/28~11/3】アトリエみつしまにて開催の企画展「まなざしの熱り」に卒業生・野中梓さんの作品が出品されます。1