先日の嵯峨日記でも紹介した本学附属博物館企画展「漫画家 上村一夫の世界」展の開催が迫ってきました。
会期は、6月15日(日)~7月27日(日)までです。詳しくは、本学ホームページに紹介しています。
(URL: https://www.kyoto-saga.ac.jp/event/14882)
なお初日には、上村一夫さんのお嬢さんの上村汀さん(上村一夫オフィス)にも来校いただく予定です。
昭和の絵師と呼ばれた漫画家・上村一夫さんは、1940年生まれで1986年に45歳の若さで亡くなられました。
短い生涯でしたが、70年代に一世を風靡した漫画『同棲時代』をはじめとした素敵な作品を多数遺されています。また、漫画・劇画以外にも、ポスター、イラスト、レコードジャケットなど多彩な作品でも知られています。
今回の展覧会では、原画を中心に出来るだけたくさんの作品を見ていただこうと、展示にも工夫をこらしています。
また今回は、上村一夫オフィスのご協力を得て、上村さんが盟友だった高信太郎さんに贈った、幻の直筆画の描かれた「羽織」も展示いたします。
(詳細は、http://www.kamimurakazuo.com/news/post_65.html)
印象的なまなざしと、独特の雰囲気を持った作品の数々を、間近でゆっくり見ていただけます。多くの方のご来場をお待ちしております。
会期中の催しとしてぜひ紹介したいのが、短期大学部コミックアート分野の学生とのコラボレーション企画『昭和の絵師と平成の絵師たち』です。上村一夫が遺した線画をデータに取り込んで、学生各自がデジタル技術を使いアレンジした一枚絵に仕上げるものです。
「コミックアート」とは、マンガ、アニメーション、ゲームのキャラクターや表現方法の影響を受けながら世界観やストーリー性を一枚絵で表現する新しいアートで、いま活躍しているアーティストは同人誌即売会(コミケなど)やイラスト投稿サイト(pixivなど)で実力をみがき人気を得てきた人たちです。コミックアートは、みんなの人気に支えられている大衆芸術(ポップカルチャー)なのです。
すばらしい作品が多く生まれるうちゲームキャラクターデザイン、小説の挿絵などを始め一般企業や公的な機関にも作品を提供するまでに認められるようになり社会に大きく寄与するジャンルに成長しました。
そんな新しい分野で第一線で活躍できる優秀なアーティストを育てるために、本学では短大として全国ではじめて「コミックアート分野」を開設しました。
そこで学んでいる学生も含め、コミックアートの分野で活躍する人たちは自分たちのことを「絵師」と呼ぶ人がいますが、そんな「平成の絵師たち」が、「昭和の絵師」である上村一夫さんの作品に学び、チャレンジしました。
上村さんの原画をもとに、本学コミックアート分野の学生が、それぞれのイメージで作品を仕上げました。
これらの作品は、博物館での展覧会会期に合わせて、本学「アートスペース嵐」で展示いたします。
一世を風靡した「昭和の絵師」の精神を受け継ぎ、新しい時代の「絵師」を目指す、学生たちの作品もぜひご覧ください。