3月19日に本学講堂で卒業式が挙行されました。
京都嵯峨芸術大学、同大学院、京都芸術大学短期大学部、同専攻科の「卒業・修了式」です。
当日は朝方まで強い雨が降っていましたが、式の開始前にはあがりました。少し曇っていますが暖かな春の日になりました。

2015年度卒業式「卒業おめでとう、未来にむかって頑張れ」!!:0

会場では筝曲部の後輩たちが、式の雰囲気を盛り上げます。
卒業生は着物やはかまなど思い思いの晴れ着を着て、会場は華やかな雰囲気です。
保護者の方々も多数ご参加いただきました。

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式に先立って、先日開催された卒業制作展の受賞者の表彰を行いました。
大学以外に、教育後援会や同窓会からも賞が授与されました。

受賞された作品などは、3月27日(日)オープンキャンパス、4月1日(1)~24日(日)まで、「卒業・修了制作選抜展」として本学附属ギャラリー「アートスペース嵯峨」、附属博物館、玄関ギャラリーなどで展示されます。

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午前10時からは、平成27年度卒業・修了式が開式され、まずは本学独自の「御法楽」が行われました。般若心経を本学の設置母体である大覚寺のお坊様方が供えられます。

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理事長挨拶、学長の贈る言葉につづき、在校生の送辞も贈られました。
教育後援会からの祝辞もいただきました。
色々な方が卒業を祝います。

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式の最後は、卒業生からの答辞です。毎回、自分の言葉で大学生活を振り返るのが本学の答辞ですが、今年の答辞も大学生活や友人、家族に感謝する感動的なものでした。

長文ですが、全文を紹介いたします。

(答辞)
肌寒い風が吹きつつも、暖かい春の日差しが私たちを照らす、今日この日、私たちのためにこのように盛大な卒業式を挙行していただき、誠にありがとうございます。先生方をはじめ保護者の皆様、多くの方々に温かく見守られながら、この良き日を迎えることができましたことを深く感謝いたします。

四年前、私は初めて親元を離れ、新生活を始める不安と心細さを感じていましたが、この大学で過ごすうちに、いつの間にか、自分の居場所と思える心地よい場所が、たくさんできていました。その一つ一つが、私にとって大切な思い出であり、思い返すと心が暖かくなるような、愛おしさがこみ上げます。
実習室の作業机、初めて与えられた時は、大きすぎるように感じたけれど、卒業制作の頃には、制作に必要な道具が所狭しと並べられ、今では小さく感じるようになりました。入学したての頃、一人で食べることの多かった学食でのお昼ご飯も、今ではお気に入りの席で、親しい友人や先生方と、会話を楽しみながら食べるようになりました。講義を受ける演習室では、入り口から一番遠い、壁から2列目の席が、私のお気に入りです。通学路から見える嵐山の風景は、季節ごとに色鮮やかに姿を変え、この地で芸術を学べる喜びを感じさせてくれました。ここで過ごした時間は、私の人生にとって、かけがえのないものであったということに、間違いはありません。

本学の母体である旧嵯峨御所 大本山大覚寺へは、入学してすぐ、桜の美しい時期に初めて訪れさせていただきました。それからも訪れるたびに、蓮の花や嵯峨菊、紅葉など四季折々の景色を楽しむことができ、歴史ある建築物や庭園を眺めていると、京都の地で学んでいる実感を得ることができました。また、授業で訪れた時には、境内を案内していただいたり、五大堂での写経を体験させていただいたり、貴重な時間を過ごさせていただきました。数々のご厚意に感謝いたします。

芸術学部造形学科に進学した私は、学部・学科を超えて多くの人と交流を持つ機会に恵まれました。困った時は、すぐ側にいる友人が私を助けてくれました。多くの人の価値観や、作品に対する想いに触れることで、自分の知らなかった世界がどんどん広がっていき、友人の作品を見るたびに、私も一層努力しなければと励みにもなりました。また、春のお花見、バーベキューや嵐芸祭など、共に過ごした楽しい時間は一生忘れることはありません。友人たちの存在は、私の大学生活において欠かせないものでした。

ご指導してくださった先生方には、感謝してもしきれません。制作に行き詰った時には、私が自分の手で解決できるよう、的確なアドバイスを与えてくださいました。先生方が指導してくれるたびに、私は少しずつですが確実に成長していくことができました。お茶を飲みながらみんなでおしゃべりした研究室での時間も、家族と離れて生活している私にとっては、心の落ち着く、大切な時間でした。制作のことだけでなく、普段の生活について、あんなことがあった、こんなことがあったと沢山お話をさせていただきました。学生と気さくに接してくださる先生方がたくさんいるこの大学に来て、本当によかったと思います。春からはこのような時間がなくなってしまうと思うと、とても寂しく思いますが、これから先、さらに成長した姿をお見せできるように、日々努力していこうと思います。

他にも、研究室の助手さん、食堂の皆さん、購買部の皆さん、警備員の皆さん、事務局の皆さんなど、私の学生生活を支えてくれた多くの方々に、感謝を伝えたいと思います。皆さんのサポートのおかげで、私は4年間、この大学で楽しく過ごすことができました。たくさんお世話になりました。今まで本当にありがとうございました。

在校生の皆さんには、少しだけ先輩面をしてお話をさせてください。
真剣に制作と向き合うほど、思い通りにいかない歯痒さや苛立ちを感じることがあると思います。人と比べて焦ったり、頑張っているのに良い評価がもらえなかったり、すべて投げ出してしまいたくなる時があると思います。ですがどうか、悩むことをあきらめないでください。思考することを放棄しては、何の解決にもならないからです。悩んで、作って、また悩んで、また作る。とてもエネルギーのいることですが、そうして過ごす時間は、決して無駄にはなりません。大学での4年間はあっという間です。限られた時間の中でできることはわずかかもしれませんが、それでもゼロではありません。皆さんが卒業する時、悔いのない晴れやかな笑顔が見られることを、先輩として心から願っています。

それから、お父さん、お母さん。
私を大学に行かせてくれて本当にありがとう。私は楽しくて仕方がなくて、ほとんど毎日大学に足を運んでいました。私の将来を心配してくれる二人の言葉を、時に煩わしく思ってしまい、反抗的な態度を取ってしまうこともあったけど、二人の存在は私にとって大きな支えでした。仕事で忙しいのに、展覧会や学園祭、いつも見に来てくれたこと、感謝しています。全力で作った卒業制作を見せることで、少しはこの恩を返すことができたでしょうか?まだまだ私は頼りないかもしれないけれど、いつか二人を支えられるような人間になりたいと思っています。その時まで、どうか暖かく見守ってください。

今日までの4年間、私は多くの人に助けられ支えられてきました。その中の誰が抜けても、私は今日の卒業式を迎えられなかったと思っています。私の大学生活で得た中で、最も貴重で大きなものは、このように私を支えてくれた人達の存在であるように思います。宝物のような日々をくれた、素敵な人達に出会えたこの大学が、私は大好きです。

最後になりましたが、理事長、学長をはじめ諸先生方、職員の皆様、並びに在校生、ご列席の皆様のご健勝とご多幸を願い、京都嵯峨芸術大学ならびに京都嵯峨芸術大学短期大学部のさらなる発展を心よりお祈りいたしまして、答辞とさせていただきます。

平成28年3月19日  
卒業生並びに修了生代表 
京都嵯峨芸術大学 
芸術学部 造形学科工芸分野 伊木 萌

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不安な中、大学で自分の居場所を見つけ、新しい環境に慣れていった新入生の気持ちから、助け合ってきた仲間や先生方と離れ、新しい一歩を踏み出す卒業生としての喜びが伝わってきます。

大学に進学させてくださった保護者への感謝も伝わってきました。

京都嵯峨芸術大学、京都嵯峨芸術大学短期大学部での学生生活の思い出を胸に、卒業生の皆さんの晴れやかな未来での活躍を、大学関係者一同祈っています。

これからも、一生懸命、自分らしく頑張ってください!!そしてまた大学に遊びに来てください。おめでとうございます。

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